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東京都武蔵村山市 GENYA WOOD WORKS 丁寧な心遣いと手仕事で作る家具

東京都武蔵村山市 GENYA WOOD WORKS

今回お話しを伺ったのは、武蔵村山市にある無垢材の家具からフラッシュ構造の家具にいたるまで、幅広いオーダー家具とオリジナル家具を製作する工房、GENYA WOOD WORKSの坂野原也さん(写真左が原也さん、右は奥様)である。

GENYA WOOD WORKSの工房内には、材料となる木の板がところ狭しと立掛けられている。
これらの木は、ただ立掛けてあるだけではなく、工房の環境へ慣らすことが目的だという。

GENYA WOOD WORKSでは、こうして時間をかけて準備した無垢材からフラッシュ材を使い、幅広い家具を手掛ける。

特注家具の製作

東京都武蔵村山市 GENYA WOOD WORKS

特注家具を作る場合、先ずはお客の持つイメージを理解する必要がある。
「これは、オーダーをもらえなかったんですが」といって見せて頂いた椅子の場合。

~薪ストーブの前でゆっくりしたい~

薪ストーブのある生活で、ゆっくりと時間を過ごす。時にコーヒーやお茶を飲んで。だからマグカップや湯のみを置けるよう、アームを太くしてある。

「薪をくべるため両側にアームがあると邪魔だから、片側アームで」
そうして作られた試作品は、ストーブに丁度良い高さで、実際に座面の凹凸が体重を自然に支え、背もたれが体重をしっかり支えてとても座りやすい。「僕も工房でストーブを使うので、気持ちが良く分かったんです(笑)」

東京都武蔵村山市 GENYA WOOD WORKS

イメージがしっかりしている人の場合、絵を描いてくれる人もいるそうだが、基本的には話しをしながらイメージをつかんでいく。
イメージがつかめると、今度は絵で示し、「それで行きましょうか」となったら、1/1の模型を作る。

図面だけでは、座り心地やバランスが分からないため、「必ず捨てちゃう材料で一度は形にします。模型で全部確認して、これで作れるとわかったら、本番を作るんですよ」

ちなみに坂野さんは、学生のとき油絵を学んでいたそうである。

一番お客のイメージをつかみにくいオーダーは、「やっぱし椅子のオーダーですね」
ゆったりと座れて、ゆっくりコーヒーを飲んで。時に音楽聴いたり、本読んだり、眠くなればうたた寝が出来る椅子。晴れの日や雨の日、暑い日も寒い日も。

それは、どんな椅子でも当てはまりそうで。。どんな椅子にも当てはまらないような。
「だからお客様のイメージを知るのに時間を頂いて、なるべく沢山話しをするんです」

そんな坂野さんの周りには、一人で家具を造る職人仲間がたくさんいる。
一人では間に合わない場合は、そうした仲間と助け合って仕事をこなす。

東京都武蔵村山市 GENYA WOOD WORKS

坂野さん自身、実は叩き上げの職人である。

「実際、僕は当てもなく始めたので、それまで勤めていた関係もありますけど、外からこの世界に入ってからの仲間や、この工房で独立してからの付き合いの仲間なんかと仕事をシェアし合って成り立っているんです」

坂野さんのような注文家具を製作する職人は、あまりエンドユーザーとの接点がないという。

注文を受けるのは建設会社や設計事務所などが窓口となっている場合が多いのだ。
しかし彼らの中には、一般に知られていないものの、確かな技術を持った職人は多くいる。

モデルルームに置かれる家具など、そうした職人の手によるものも少なくない。

実際、坂野さんの仲間には「提案から含めて出来る」仲間が多くいるという。
脚ものから箱物まで、とにかくあらゆる家具のスペシャリスト。
そうした確かな技術を持った職人の作る家具を、一度体験してみてはどうだろうか。

東京都武蔵村山市 GENYA WOOD WORKS

職人としての技術

学生時代、油絵を学んでいた坂野さんは、卒業制作での体験がきっかけで、家具の世界に興味を持ったという。

「卒業制作で、杉の板の表面に感光乳剤を塗って、モノクロの写真を印刷したんです。
そのとき触れた杉の木の感覚が、楽しかったんですよ」

どうしても木の家具を作りたいと思った坂野さんは、フラッシュの家具を作る工場に勤めた後、今から6年前に現在の工房GENYA WOOD WORKSを設立したのだ。

「もともと椅子とテーブルを作りたいって思っていたんです。自分にとって家具ってどんなイメージかというと、椅子とテーブルが並んでいるイメージだったんです」

とにかく研究熱心な坂野さんは、最初は鉋も使えなかったという。
しかし今では自分専用の鉋を自分で作る。
「これは板の角がぴったり合うように、45度に削るためのものです」

こうしたことも、この職業をやっていると自然と覚えざるを得ないという。
独立する前には、「先輩の仕事を見る事が一番大事」だったそうだ。
海外では、家具の工房が出版している専門書や、椅子の座面に使う編み方を紹介した洋書などが多くある。
坂野さんは、今でもそうした書物を読みながら、日々研究を重ねている。

東京都武蔵村山市 GENYA WOOD WORKS

木への心使い

GENYA WOOD WORKSでは、材料となる木の相談もきいてくれる。

「木は最低2年くらいは現地に置いてもらいます」
その後、工房に移して、さらに工房の環境に馴染むまで時間を置くのである。
木材業者には単に乾燥材を頼む場合と、「産地も分かっている丸太を買う」場合とがあるという。

「僕がお客様に薦めているのは、産地も分かった国産の丸太を買って乾燥させて、それで家具を作るというものです」
もちろん国産の木材のほかにも、チェリーや、ウォールナットといった人気の素材も特性に合わせて家具に加工している。

「広葉樹と針葉樹ではデザインを変えないと持たない場合があるんですよ」
木の強度は、様々な本に数値として示されてあるものの、「実際に自分で触れば、強度があるかどうか感覚的に分かります。これは、同業者なら通じるんじゃないかな」

「この椅子でいうと接合部分が一番難しいです。特にこの背もたれを支えるところは力が掛かるので、ここの精度だったり、木の乾燥がどのくらいコントロール出来ているかとか。」

このようにGENYA WOOD WORKSでは、坂野さんが一つ一つ吟味した木が丁寧に家具へと形を変えていくのだ。

>>GENYA WOOD WORKS公式サイトへ