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山形県米沢市 フォトテックス 普段使いの米沢織”米織小紋”

山形県米沢市 フォトテックス

織物町、米沢

観光地として人気の山形県米沢市は、織物の町としても有名である。
その米沢の織物といえば米沢織。
光沢の美しい絹織物だ。

米沢織の歴史は16世紀後半、米沢藩第九代藩主上杉鷹山の時代にまで遡る。
米沢藩の産業振興政策の一つとして、麻織物としてはじまったといわれている。

その後、養蚕が盛んになるにつれ、絹織物として発展し今に続いている。
1950年代の最盛期には、大小300軒余りの織物工場が操業していたというが、その後工場の数は減少し、今では30軒程となっている。

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鷹山堂の米織小紋

“米織小紋”は、山形県米沢市にある鷹山堂が手掛ける自社ブランドだ。
ジャガード織りで織り上げた綿素材の生地を使い、機能的でモダンなデザインが特徴の普段使いの雑貨である。

肉感のある小紋柄

米織小紋には、定番柄が16種類ある。
どれも、日本の伝統的な古典柄だ。

通常、小紋柄は織られた布を後から染める”捺染(なせん)”の手法で作られる。
これに対し、米織小紋は先染めの糸を使って高密度に柄を織り上げる。
柄を織りで表現することで、立体感と柔らかい風合いのある表情となっている。

柔らかさと丈夫さ

米織小紋の生地には、米沢で三代に渡り機屋(はたや)を営んでいる織元山口の技術が活かされている。
その生地は、“さらし”より丈夫で、“帆布”よりも柔らかい。

素材は、普段使いを意識して、綿100%を使用している。
丈夫な生地を丁寧に縫製しており、洗濯することも出来る。
柔らかな素材のため、スカーフとしても楽しむことが出来る。

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普段使いというストーリー性

今回お話しを伺ったのは、鷹山堂の山口英夫さんと、道子さんご夫婦である。

山口英夫さんは、織元山口の三代目であるとともに、織物のデザインから製作までを手掛ける作家でもある。
そして、米織小紋のアイディアを考えたのは、道子さん。
米織小紋という名前には、“米織という言葉を知ってもらいたい”ということと、“織で小紋という言葉を入れたい”という、2つの思いが込められている。

実は今、米沢の町で米沢織を着ている人を見かけることはほとんどない。
良いものであっても、使われなければ無くなってしまう。

「このままでは、米織がなくなってしまうのではないか。」

こうした危機感から、“普段使いの米沢織”を思いついたという。
そこで選んだ素材が、綿100%であった。

ちなみに、高級絹織を得意とする米沢では、綿を織る工場は大変珍しいという。
本来織元には素材メーカーとして、素材の風合いや質感といった素材の良さを引き出す技術がある。
しかし、それを使って最終商品までを手掛けることの出来る織元はごく限られている。

山形県米沢市 フォトテックス

そんな中で、素材から最終品まで一貫生産される米織小紋は、機屋だからこそ出来る素材感、機能性、デザイン性、ストーリー性を備えた魅力的な雑貨である。

人口絹糸の発祥の地

現代の生活になくてはならない科学繊維レーヨン。
レーヨンは、シルクの代用品として開発された科学繊維である。

国内で初めてこの素材の生産に成功したのが、米沢にあった東工業米沢人造絹糸製造所だ。
その後、この工場は帝国人造絹絲(帝人)米沢工場となり操業を続けたものの、世界恐慌の最中1931年に閉鎖された。

現在、米沢の町を見下ろす御成山公園の一角には、「人繊工業発祥之地」の碑が建てられている。